レム睡眠とノンレム睡眠
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」、これらの言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。レム睡眠とノンレム睡眠については、1953年に米国の科学者アゼリンスキーとクライトンが発見しました。「レム睡眠」では身体が眠り、「ノンレム睡眠」では脳が眠っています。この2つの状態は、通常一晩に4〜5回ずつ繰り返されています。こちらでは、この2つの状態と働きについてご説明します。
レム睡眠(Rapid Eye Movement)
「レム睡眠」は全睡眠時間の約25%を占めています。「レム」は、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)をいい、生物は眠っている最中にも、眼球のみキョロキョロと動く状態があります。その間、私たちの脳は運動指令を遮断し、筋肉の緊張を解除することで、身体に十分な休息を与えます。その反面、脳は休んでおらず、日中に体験したさまざまな情報を記憶の一時的な貯蔵庫から呼び出し、合成し、定着させようと活発に働いているのです。
交感神経も緊張して、脳に血液をどんどんと送り込んでいます。
ですから、新しい体験や学習をした日には、レム睡眠は長くなるといわれます。
ノンレム睡眠(Non Rapid Eye Movement)
「ノンレム睡眠」は、脳の休息時間です。
人間のような高等動物になると、知性、感情、意思といった複雑な脳機能をつかさどる大脳皮質が発達しています。この大脳皮質を十分に休ませ、エネルギーを回復させることがノンレム睡眠の目的です。
ノンレム睡眠中は、心身をリラックスさせようとする副交感神経が活発になり、振動数のゆるやかな脳波が現れます。そして、レム睡眠時より目覚めにくいという特徴があります。
睡眠のバランス
このように人間の眠りには、全く性質の異なる2つの睡眠がありますが、この2つの睡眠の時間配分は、その人なりの睡眠時間の長短によって変化します。実は、8時間眠る人も5時間しか眠れない人も、ノンレム睡眠時間には違いがありません。つまり、睡眠時間が短い人はレム睡眠を削り、その分ノンレム睡眠を確保することで脳を休息させています。ノンレム睡眠にはそれだけ重要な役割があるということです。
とはいっても、レム睡眠もないがしろにしていいわけではありません。私たちが健康に生きるためには、脳と身体にバランスのよい睡眠が必要ということです。そうした眠りこそが、私たちの求めてやまない「快眠」、つまり睡眠時間の長短だけでない「質の高い睡眠」なのです。



